FP1級は、国家資格「FP(ファイナンシャルプランナー)技能検定」の最上位の資格です。
私は、FP1級と同レベルと言われている「CFP」という資格を保有しています。
別の記事で、「FPってそもそもなに?どんな資格があるの?取得すると何に役立つ?」
といったFP資格全般について紹介していますので、参考にしていただければと思います。
私は、証券会社の人事部にて、元採用・資格取得を5年間担当していました。
FP資格の取得も推進してきた私が、この記事では「FP技能試験1級」の試験概要を紹介します。
この記事を読むと、こんなことが分かります。
- 試験内容・出題形式
- 試験日程・試験時間
- 受検資格・申込方法
- 必要な勉強時間
もくじ
試験内容と出題形式
FP1級の試験は、FP2級・3級試験と違う部分がいくつかあります。
FP2級・3級は、学科試験が午前、実技試験が同じ日の午後に開催されて、同日受検が可能でした。
FP1級は、学科試験の「基礎編」が午前中、「応用編」が午後に開催され、実技試験は別日の開催となります。
ここでは、学科試験と実技試験それぞれの詳しい内容を見ていきます。
学科試験
FP技能検定を運営している組織は「日本FP協会」と「きんざい」ですが、
FP1級の学科試験は「きんざい」のみで実施しています。
試験範囲は以下。
FP技能検定はどの級でも学科試験範囲は同じですが、難易度が異なります。
基礎編は、50問の筆記試験(マークシート形式)、四答択一式です。
応用編は、事例問題5題の筆記試験(記述式)です。
基礎編と応用編それぞれ100点ずつ、合計200点満点です。
基礎編と応用編を合計して120点取得すれば合格となります(正解率6割で合格)。
実技試験
日本FP協会ときんざいで、実技試験の内容が異なります。
日本FP協会
2題(20問)の筆記試験(記述式)です。
記述式と言っても、全て論述形式なわけではなく、「択一」「語群選択」「空欄記入」も含みます。
100点満点で60点以上で合格となります(正解率6割で合格)。
試験範囲は、FP2級・3級と同じく「資産設計提案業務」です。
きんざい
口頭試問方式、つまり面接です。
面接の時間は、1回につき約12分です。2回行います。
「設例」が面接開始15分前に渡されるので、必死に読み込んで面接に備えます。
200点満点で、120点以上で合格となります(6割で合格)
試験範囲は、「資産相談業務」のみです。
日本FP協会ときんざいの実技試験についてまとめると以下です。
日本FP協会 | きんざい | |
形式 | 筆記試験(記述式) | 面接 |
問題数 | 2題(20問) | 面接2回 |
合格点 | 60点 (100点満点) | 120点 (200点満点) |
試験 範囲 | 資産設計提案業務 | 資産相談業務 |
大きな違いは、筆記なのか面接なのか、でしょう!
「紙の試験の方が得意だわ・・・」とか「面接は苦手だわ・・・」という方は日本FP協会で受検したほうが良いでしょう。
逆に「面接が得意なんです!!」という方はきんざいが良いです。
どちらで受検したとしても、実技試験の合格率は比較的高いです。
参考として、大体の合格率ですが、
日本FP協会では95%程度、きんざいは85%程度の方が合格しているようです。
出題範囲の詳細については、各社のホームページもあわせてご覧ください。
2023年度の試験日程・試験時間
FP1級は、学科試験と実技試験の日程が異なります。
学科試験は、きんざいにて、年3回(5月、9月、1月)実施されます。
実技試験は、きんざいでは年3回(6月、10月、2月ごろ)実施され、日本FP協会では年1回(9月)実施されます。
2023年度の試験日程と試験時間は以下です。
学科試験(きんざいのみ)
第1回:2023年5月28日(日)
受検申込 | 2023年3月17日(金)~4月7日(金) |
試験日 | 2023年5月28日(日) 【基礎編】10:00~12:30 【応用編】13:30~16:00 |
合格発表 | 2023年7月4日(火) |
第2回:2023年9月10日(日)
受検申込 | 2023年7月5日(水)~7月25日(火) |
試験日 | 2023年9月10日(日) 【基礎編】10:00~12:30 【応用編】13:30~16:00 |
合格発表 | 2023年10月20日(金) |
第3回:2024年1月28日(日)
受検申込 | 2023年11月14日(火)~12月5日(火) |
試験日 | 2024年1月28日(日) 【基礎編】10:00~12:30 【応用編】13:30~16:00 |
合格発表 | 2024年3月8日(金) |
実技試験
きんざいの実技試験は面接のため、試験日が幅広いです。
会場によって試験日が定められているので、詳しくはきんざいの公式HPを参照してください。
2023年6月上旬~中旬(きんざい)
受検申込 | 2023年3月下旬~4月中旬 |
試験日 | 2023年6月上旬~中旬 |
合格発表 | 2023年7月13日(木) |
2023年9月10日(日)(日本FP協会)
受検申込 | 2023年7月13日(木)~8月3日(木) |
試験日 | 2023年9月10日(日) |
合格発表 | 2023年11月7日(火) |
2023年9月下旬~10月上旬(きんざい)
受検申込 | 2023年7月下旬~8月中旬 |
試験日 | 2023年9月下旬~10月上旬 |
合格発表 | 2023年10月27日(金) |
2024年2月上旬~中旬(きんざい)
受検申込 | 2023年11月上旬~12月中旬 |
試験日 | 2024年2月上旬~中旬 |
合格発表 | 2024年3月15日(金) |
受検資格
FP1級は、学科試験と実技試験で、受検資格が異なります。
学科試験
①・②のどちらかに該当する者
- 2級FP技能検定(もしくは金融渉外技能審査2級)合格者かつ、1年以上のFP業務実務経験
- 5年以上のFP業務実務経験
これを見ると、学科試験を受けるためには「実務経験が必要」だと分かります。
実は、実務経験がなくてもFP1級は受けられます!!
それでは、実務経験がない人が、FP1級を取得するにはどうすればよいか。
ここでポイントなのが、実技試験に合格すればFP1級に認定されるということ。
そう、学科試験は受けなくても良いのです!!
実技試験
じゃあ、実技試験の受験資格はどうなっているか?というと・・・
①~④のいずれかに該当する者
- FP1級学科合格者
- CFP認定者
- CFP6課目合格者(認定前)
- 「FP養成コース」修了者で1年以上のFP実務経験
赤字にしましたが、「CFP6課目合格者」になれば、実務経験がなくてもFP1級の実技試験を受けることが可能です。
私はCFP認定者ですが、FP1級と同じ6課目を、1課目ずつ受検することができるので、個人的には勉強がラクでした。
いろんな内容を一気に勉強すると頭がごちゃごちゃしてしまうので、
CFPで1課目ずつ受検できるのはありがたかったです!
CFPについては以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。
申し込み方法
日本FP協会も、きんざいも、受検申請方法は2種類あります。
インターネットでの申請と郵送での申請です。
各組織の受検申請ページへのリンクは以下です。
どちらで受検するかを決定してから、申し込みをしましょう。
受検料
日本FP協会と、きんざいで、料金が異なります。
日本FP協会の実技試験は20,000円。
きんざいの学科試験は8,900円、実技試験は28,000円です。
必要な勉強時間
最後に、必要な勉強時間について簡単に紹介します。
一般的に600時間程度と言われています。
しかし、資格取得を目的に絞って勉強すれば、そこまで時間を掛けなくても合格できます。
私はCFPを保有していますが、6課目合計で大体300時間くらいで合格できました。
さいごに
この記事では、FP技能検定1級の試験概要についてご紹介しました。
FP1級は、2級と比較すると段違いに難易度が高いです。
しかし、FPの最上位資格のため、転職や社内評価などで大きなメリットがあるでしょう。
それだけではなく、自分のお金の管理もできるようになるため、持っていて損のない資格だと思います。
難しい資格ですが、コツコツ勉強すれば手が届かない資格ではありませんよ!
頑張りましょう!
以上です!!